読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

僕は小さい頃から失敗ばかりだった。

小さい頃の失敗は、親や先生も大目に見てくれる。でも同じ失敗を何度もすると、親や先生でも顔が引きつってくるのを僕は気づいていた。ただ、その頃の僕の数少ない取り柄は、人より正直なことだった。正直に言うことでなんとか許してもらいながら、小学生くらいまでを過ごした。

大きくなると、正直に言って謝ることよりも「学ぶこと」を求められた。

失敗してもいい。ただその失敗から学べ。同じことを繰り返すな。成長しろ。そういった言葉は何度も聞いた。同じ失敗を繰り返す度に、長々と言われるようになった。ただ何度やってもうまく行かなかった。

高校生に上がる頃には、人より嘘つきになっていた。

同じ失敗は許されなくなり、それを毎度自己申告するなんて耐えられなかった。どうやって怒られないようにするか、をいつも考えていた。

ある日、ネットでそれは病気なんだと知った。

それを知ってから、泣くようになった。

病気のことは誰にも言わなかった。それで失敗を正当化するのが嫌だった。でも、何も変わらなかった。

いつしか自分の中で、病気のせいだと諦めるようになっていた。反省することより、自分を守ることのほうが優先事項だった。そうでもしなければやっていけなかった。他人とは違う、不完全な自分を認めるのも、つらかった。

今は、前を向かなければと思っている。ただたまに、この病気が無かったら、どんなに僕は今より善良な人間だっただろうと思ってしまうことがある。