彼はこの世界にいる人間じゃない。

神様は僕達に奇妙な色仕掛けを残していった。…残していったのは、友達だけど。

そんな詩的なのかそうじゃないのかもよくわからない文章をブログの一行目に書きなぐってしまうくらい、今日は複雑な気分でいる。

明るい話題「それは本当に嬉しいことだね」と先輩は言った。嬉しい。

嬉しいけど、正直嬉しくはない。

僕は彼を敵とは思っていない。彼は本当に心から僕といっしょに活動をしてくれているみたいだし、そんなこと思えない。

ただ、でも、明確に諦めている部分もあった。彼はいなくなる運命なのだから、彼に頼んではいけないことと、頼んで良いことをしっかり線引きしてから付き合っていた。

もうひとつある。彼はそのプレゼントを、職人の本性、つまり、ある意味本能的な部分を根源として、原動力として手作りしてくれたということだ。

共感できる。共感できた。

でも共感するとき、不安にならないだろうか? そこに優しさや怒りは本当になかったのか? 誰かのあたたかみがそれに挟まってはいないか? 本当に、本当にそれだけなのか???

本来それは信じられないことなのだ。本来それは物語の中でしか享受できない、僕の人生経験が無いだけと笑われるかもしれないが、そんなことがあって良いのだろうか。というか、あるのか?

信じられるか? 神様を信仰するとき、そこに見返りは無いとしても最後まであなたは手を何の疑問も抱かず手を合わせ続けられるだろうか。ありえない。誰かのメリットや自分の受ける利害を思い描いてこそ、手を合わせ続けられる。

それなしにできた結晶が、そんなに透明なものがこの現実の世界にあると思ってしまって良いのだろうか。

僕は信じられない。嬉しくない。悲しくは…ある。寂しくもある。やるせない。取り返しがつかない。

僕はきっと、その結晶に触れられない。

野獣のように叫びながら、そこに手を伸ばすことさえできずただ涙を流すしか無い。そして

ありがとう。

そう言うんだ。それしか、この涙を形容する方法がないから。

彼は消えたんだ。