"Team Geek"を読んだ感想

Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか

Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか

HRTについて

一貫して「HRT」が引き合いに出され、それを土台にしたチーム作り/うまくやる技法について書かれている。

内容とは関係のないことだが、最初に鍵となる概念を提示してそれを基本と一貫して話を続けるのは、わかりやすさという点でも、興味を引くという点でもかなり効果的な技法であると思うが、難しいことだと思う。それにそぐわないことの多くは排除しなければならないから。

最初の「実践HRT」でHRTの基本を学んだときは、HRT的なコミュニケーション方法には懐疑的だった。だって「この部分はxyzzyコードパターンを使ったほうがわかりやすい」と言えば良いものを、「この部分の制御フローがよくわからないのですが、xyzzyコードパターンを使えば読みやすくなるでしょうか?」と伝えるなんて、回りくどすぎる! 自分がそういうのが嫌というよりは、そんな伝え方をされた時にイライラしそうな感じがした。

そんな自分の疑問には答えることなく話はどんどん進むのだが、読んでいるうちにだんだんとHRTに洗脳されていく。

もう少し具体的に言えば、「HRTはコードレビューのときのみ効果を発揮するものではない。全ての人間関係に適応されうるものだ」ということが感覚で理解できるようになってくる。

いや、それは明確に最初の方にも最後の方にも書いてあるのだけれど、いくつもの例を考えていくうちに「HRTを使うべきだ」というのが刷り込まれていく、感覚。

すごく情緒的に書いてしまっているんだけれども、本当にそういう感覚が身についていく実感が読んでいる途中にある。

けものフレンズと同じで、人を優しくする本だと思う。

チームリーディングについて

この本は全体的に、基本は「HRTをどう適用するのがいいのか」というのがいろいろな視点から描かれているものなんだけれども、チームリーディングのところで印象に残ったことを適当に書く。

このパートで重要なことは「エンジニアを大人として扱うこと」。

伝統的なマネージャーはどうやって仕事を完了させるか考える。リーダーは何ができるかを考える…(どうやって仕事を完了させるかはチームに考えてもらう)

また、良いチームのために最重要な「文化」も、チームリーダーが作るのではなく、メンバーが作るものだ。

リーダーは一人のメンバーに文化が支配されないように気をつけながら、チームを陰ながら導いていく。

気になったこと

  • 「みんなの友達になる」や「自信をなくす」ことと、HRTは非常に取り違えやすいと思った。確かに「尊重する」という意味では友達になることに近いかもしれないが、もっと重要なことだけ切り出している。友達は失っても、尊重は失ってはならない。
  • 「明確な意思決定をせずに成り行きに任せるチーム」と「合意ベースのチーム」も非常に取り違えやすい、というか見間違えやすいと感じた。とくに「日本的」な文化が見える会議等では、それが本当に全員の合意なのか、成り行きで出た結論なのかわからないということがある。そうでなくとも、全ての決定について独断がないかと考えるとそこは本当に難しいことだと気づく。
  • 設計書は退屈なイメージがある。設計書通りに書くコードも退屈なイメージがある。でも設計せずに書き始めると、何度もスクラッチから書き直すということは起きる。設計書で解決するかはわからないけど。

その他印象的だった文章

  • 自分の意見を主張するときは、その前に相手の話を聞くようにしよう。ころころ意見を変えると、優柔不断なヤツだとおもわれてしまう

  • エンジニアが相談を持ちかけるのは、君に問題解決をしてほしいからではない。彼が問題解決するのを手伝ってほしいからだ。

  • 簡単にできそうなことをするよりも、できそうもないことに挑戦して失敗するほうが道は開けるはずだ

総括

なんかとんでもなく適当に書いたようなレビュー記事になってしまった。全体的に「方法論」としてかいてあり、部分部分ではいろいろと思うことがあるのだが、全体としてまとめようとするとうまく行かなかった。

結構納得しながらすらすら読むことができる本なのだが、恐らく全部完璧にできている人はいないだろう。なので定期的に読み返し自分の行動を反省していきたいな、と思った本だった。